その器、素敵!
そう!気に入ってるんだぁ
どこで買ったの?
富士山の近くのお店で買ったよ。違う色の土を練り合わせて多彩な模様を作る『練り込み』という技法でつくられた作品なんだ
へー、いいな
この作家さんの作品はどれもデザインがシンプルで控えめに見える。だけど洗練されてて際立っている感じがするんだ。手触りもよくて好きなんだ






陶器とは手触りがよく、マットで柔らかな光を放つ焼き物です。落としたりしなければ壊れることはなく、長年使えて愛着を感じやすい日用品です。普段使いでも洗って置いておくだけでインテリアにもなります。あなただけの気に入りの陶器を生活に置けば、暮らしにリズムが生まれたり、いい習慣を得るきっかけになったりもしますよ。
日本の焼き物の種類には陶器、磁器、そして�Т錣裡海弔�あります。



土が主成分で出来ている焼きものの器のことを陶器と言います。土には産地による特徴がありますが、同じ産地の土であっても決して一様ではないという難しさがあるのも面白いところです。日本では、地方によってその土地独特の焼きものが存在しています。焼きものにはいくつかの種類があって、陶器の他に、磁気や�Т錣箸い辰心錣眤減澆靴討い泙后�
陶器は粘土を原料にしたもので、水分を吸収する性質があるため釉薬をかけて焼くことが多く、叩くと鈍い音がするのが特徴です。重厚でぼってりとした栃木県の益子焼(ましこやき)が有名です。
一方磁器は、ガラス質を含む石を砕いたものが原料となっており、半ガラス質で水分を吸収しない性質のもので、素地は透かすと少し透明で、透明な釉薬をかけて焼くことが多く、叩くと金属製の高い音がするのが特徴です。鮮やかな絵付けのされた石川県の九谷焼(くたにやき)が有名です。
また、陶器と磁器の中間的な性質を持つものとして�Т錣�あります。水分を吸収しないため陶器ではなく、素地が透明ではないため磁器でもありません。釉薬を使わずに焼き締められた土感が特徴の岡山県の備前焼(びぜんやき)が有名です。
このように、焼きものにはいくつかの種類がありますが、陶器の一番の特徴は、手にしっかりと馴染むようなザラザラとした手触りです。磁器のようなツルッとした手触りではなく、土の温かみを感じることができる器です。
更に、美しさの中に趣を楽しむことができるのも陶器です。一つひとつの陶器は、釉薬の収縮によって貫入と呼ばれる細かいひび割れが入ったり、器を使い込んでいくうちに、その貫入に茶しぶなどの色が染み込んでいく七化けといった現象が発生します。
これは、日常使いされる道具としてとても味のあるもので、豊かな感性を持つ人の美的価値観を刺激します。熱しにくく冷めにくいといった食器としての特徴に加え、陶器が多くの人に愛されている所以でもあります。


焼きものを作る技術のことを陶芸と言います。土や石の粉などの原料からできた粘土状の材料を使い、茶碗、湯呑み、皿、壺や花瓶などの形を作り、窯を使って焼き上げます。
陶芸に類似している言葉として、工芸という言葉があります。一般的に、陶芸は作家の思いを表現するための手法であり、工芸は職人の手によって作られ、供給される技を表しています。
つまり、陶芸家と呼ばれる人は、自身の意図を芸術性の高い作品として表現することを目的としている場合が多く、作陶家や陶工と呼ばれる人は、伝統的な技術、技法や素材に重点を置き、美術的な価値のある作品を、工業生産品して表現することを目的としている場合が多いと思われます。
陶芸に使われる素材には種類があります。陶芸は粘土や磁器土を材料としていますが、この粘土の素地のことを胎土と言います。胎土の性質は、産出される地域によって大きく異なるため、各地域によって独特の焼きものが作られています。実際には、用途に適した胎土を得るために、様々な素材を混合して作ります。
陶芸の手順は、胎土を練って形成し、高台を作る作業から始まります。乾燥させて素焼きし、絵付をして釉薬をかけてから本焼きに入ります。ただしこれは一般的な流れで、それぞれの工程に色々な技術や工夫があり、決して1日でできることではありません。
例えば、土を扱うだけでもある程度の熟練が必要です。水分量を均一にするための「荒もみ」や空気を抜くための「菊練り」といった作業があったり、土の形成には、手びねり、ろくろ、そして型を使ったりする難しい作業があります。適度に乾燥したところで、高台部分を削ったり、模様を入れたり、更に取っ手をつけたりすることもあります。この後一旦素焼きをし、絵付をしたり釉薬を掛けたりしながら、個性や質感を表現する作業に入ります。そして本焼きに入りますが、穴窯や薪窯といった伝統的な方法の他にも、ガス、灯油や電気を使った窯で焼き上げるといったこともできるようになっています。
陶芸を行う人は、芸術的なセンスやクリエイティブな感覚を持っていることはもちろんですが、静かでゆったりとした落ち着きの中に、慎重で丁寧な作業ができる器用さと、工夫やひらめきといった要素を併せ持っていることも必要だと思われます。陶器の制作にはある程度の時間がかかリます。土の性質や数々の工程をこなしていく作業は、急いで行うことではありません。土の様子をじっくりと眺めながら、適切に工程を進めていくコツコツとした作業が求められます。美的感性があり、根気強さのある人でなければ上手くできません。
このように、伝統的な手法はあるものの、地域や人によって、様々なバリエーションや可能性があるのも陶器の世界です。伝統工芸品のみならず、自分のお気に入りの作家や作品を探すことができるのも陶芸の面白いところです。
回転運動する機械のことをろくろと言っています。具体的には、円盤や滑車がこれに該当しており、様々な仕事に利用されています。陶芸の分野では、円形の陶器を作るための回転運動を起こさせる機械のことを示しています。台の上に粘土を置き、円盤を回転させながら手で色々な形を作っていきます。作業に適した状態の粘土を調整し、回転運動による遠心力を利用して器の形を作っていきますが、目的とする形を作り出すにはある程度の熟練が必用です。ろくろには、ペダルを踏むだけでモーターで回転する「電動ろくろ」と手動で回転させて使う「手回しろくろ」の2種類があります。電動ろくろを使えば、みるみるうちに粘土が伸びていき器のような形を作ることができますが、実際にやってみるとなかなかイメージの通りにはなりません。陶芸の世界では「土練り3年、ろくろ10年、窯一生」と言われており、これがろくろを扱う難しさの所以でもあります。

色の異なる粘土を組み合わせて、模様を作っていく作業のことを練り込みと言っています。練り込みにはいくつかの技法がありますが、粘土に顔料を混ぜ込んで色粘土を作っていく作業、色粘土を組み合わせて模様を作っていく作業、そして一つひとつのパーツを組み合わせて器の形を作っていく作業を上手く繋いでいくことが基本となります。市松、ストライプや渦巻きなど、様々な模様を作り出すことができますが、複数の粘土を扱って一つの作品を作り上げることは簡単ではありません。組み合わせる一つひとつの粘土に手を加えるということは、性質の異なるものを一つにまとめ上げるといった作業となります。思うような模様が作れないこともよくありますし、それぞれの粘土の収縮率が異なるので焼き上げた時に器が割れてしまったり、すき間ができてしまうこともあります。そのため、練り込みで焼き上げられた作品は多くの焼き物の中から選抜された『限られた逸品』ということが言えます。




